皆さん、こんにちは。
世の中の香りには様々な香りがありますが、その中には様々な香り成分が含まれている調合された香り「フレグランスコンパウンド[fragrance compound]」があります。
実は調合された香りには、どんなイメージで構成されいるのかが分かる「魔法の図形」があるのをご存知ですか。
揮発速度ってなに?トップノート/ミドルノート/ベースノートとは?
フレグランスメーカーのアート・ラボがお届けする【フレグランス・ラボ通信】第13回目は、「香りのピラミッド」に関するお話です。
香りのレシピを可視化できる「香りのピラミッド」
私たちアート・ラボの商品をはじめとした香り製品を販売している様々なお店で、三角形の図で香りを説明しているものを見かけることがあると思います。
さて、これは一体何を表している図なのでしょうか?
調香師が調合した香水やリードディフューザーなどの香り製品の中には様々な香料が含まれており、それらがバランスよく配合されています。
しかし、目には見えない香り成分には実はそれぞれに大きさがあり、全ての香りが同じような速度で揮発しているわけではないのです。
例えば、最近よく手指消毒で使っているアルコール。手につけるとアルコールはすぐに乾きますが、これが水だとどうでしょうか。乾くのに時間がかかりますよね。この液体の例と同じ様に、気体の香りもすぐに無くなる香りと残る香りがあります。これが揮発速度の違いなのです。
この揮発速度と調香師が考えた香りのイメージを可視化したものを「香りのピラミッド」と呼びます。
トップノート/ミドルノート/ベースノート
香りのピラミッドは、先のように揮発速度の違いで以下のように3つに区分けされます。例えば201LABのエキゾチックな大人の魅力を感じさせる香り、「Asian Flower」を例にみてみましょう。
■トップノート / TOP NOTE
揮発性が高い香りで、ピラミッドの上の方に表現されます。
ここではオーキッド・ロータスが挙げられます。
■ミドルノート / MIDDLE NOTE
香りの中心となる特徴を表す部分で、ピラミッドの中間の位置に表現されます。別名「ハートノート」とも呼ばれ、トップノートとベースノートをつなぐ役目も担っています。
ここではイランイラン・フローラルブーケが挙げられます。
■ベースノート / BASE NOTE
最後に感じるずっしりとした香りで、ピラミッドの一番下に表現されます。樹木や動物系の香料が主で、香り全体の持続性を高める役割も担っています。
ここではアンバー・ムスクが挙げられます。
香りは目に見えないものだから、わかりやすく。
例えば201LABのJapanese Gardenは「季節の移ろいを映す日本庭園をイメージした香り」とお伝えしていますが、香りは目には見えないもので、人それぞれに感じ方が異なります。そのイメージを更に他の言葉で表し、視覚的にわかりやすくしたものがこの表現方法なのです。
この図形はレシピを分かりやすく表現する時にとても便利な方法なので、最近では香水やルームフレグランスに留まらずシャンプーや石鹸などの日用品でも香りをよく理解してもらえるようにと使われるようになってきました。
皆さんも店頭で「香りのピラミッド」を見かけた際はその香りのレシピを見て、そして調香されたトータルイメージを紐解きながら香りを確かめてみると、調香師の想いがわかるかもしれません。
最後に
今回のフレグランス・ラボ通信は「香りのピラミッド」をお届けいたしました。揮発する香りによってトップ/ミドル/ベースノートに分類され、さらに調香師の想いがわかるなんて面白いですね。
例として挙げた商品はアート・ラボが運営する201LABを始めとした直営店や楽天市場店でもお取り扱いしております。実際に足を運んで香りを試してみてはいかがでしょうか。
ではまた次回、【フレグランス・ラボ通信】〜香りのエトセトラ〜でお逢いしましょう。