皆さん、こんにちは。
フレグランスメーカーのアート・ラボがお届けする【フレグランス・ラボ通信】今回も魅力的な花たちのお話です。
第10回に引き続きESSENCE & FLEUR Vol.5として「ミモザ」の香りについてお話したいと思います。
ミモザの分類と香気について
ミモザはマメ科アカシア属の総称で、「フサアカシア」や「ギンヨウアカシア」というように多くの品種がありますが、精油として使われるのはフサアカシアになります。
黄色くて丸い花びらをつけ、優しく甘いフレッシュな香りが特徴的ですが、精油になるとその香りはとても濃厚なフローラル調へと変わります。
よく「ミモザ」と「アカシア」を混同される方がいらっしゃいますが、この2種類はそれぞれ別の植物になります。
どちらもマメ科の植物で花の形なども似てはいるのですが、ミモザの花は黄色、アカシアの花は白色を呈します。
開花時期も違って、ミモザは2月~4月にかけて、アカシアは4月~5月頃にかけてが見頃になります。
アカシアの香りはミモザに比べてふんわりと香る程度に弱いので、香水や精油としては専らミモザが使われているのです。
ミモザの日
第9回で「ミュゲ(すずらん)の日」についてお話ししたかと思いますが
「ミモザの日」という日もある事をご存知でしたでしょうか。
イタリアでは3月8日を「ミモザの日」と呼びます。
3月8日は国連が定めた国際女性デーに当たりますが、イタリアではこの時期に咲くミモザを、男性から女性へプレゼントする習慣があります。
アモーレ(恋人)だけでなく、家族や友人、職場の同僚など、身近な女性たちに感謝の思いを込めてミモザを贈るのです。
3月8日が近づくにつれ、街中がミモザ色にあふれ、明るい雰囲気に包まれます。
ミモザを受け取った女性は、髪や襟元に挿したり、食卓に飾ったりして楽しむのだそうです。
たしかに、ミモザの優しい黄色と甘い香りは、どんな風景にも馴染んでその場を明るくしてくれる象徴的なお花だと私も感じます。
観賞用植物として広まったミモザ
ミモザの原産はオーストラリアです。19世紀ごろに観賞用植物としてヨーロッパに持ち込まれたそうです。
その後、瞬く間にミモザはヨーロッパで流行する事になります。
春を待つまだ寒さの残る時期に、綺麗な黄色い花を満開に咲かせるその姿に、現地の人々も強く惹かれたのだと思います。
ミモザはドライフラワーにしても鮮やかな黄色が映えるので、人気のお花なのだとか。
弊社でも、Solid Perfume(ソリッド・パフューム:固形香料)という独自技術を用いて、過去にミモザのSolid Perfumeで生花を閉じ込めた「香るキューブ」を製作した事があります。
何気ない日常の中でふわりと香る優しいミモザの香り、おすすめです。
また、ルームフレグランスとしてミモザの入った香りを下記にご紹介しますので、お部屋で楽しみたい方には是非こちらもお試しください。
それでは次回の「香りのエトセトラ」でまたお会いしましょう!